2014年1月29日水曜日

『平和構築へのアプローチ』


こちらの本は装丁を担当した、
伊東孝之=監修、広瀬佳一・湯浅剛=編『平和構築へのアプローチ』(吉田書店)です。
紛争と平和構築に関する研究書です。

A5判で440ページのボリューム感、3,800円+税という定価を考え
あまり軽い感じではなく、それなりに落ち着きのある装丁を考えました。
といっても、重苦しいのもよくないので、
グラデーションと白い切り込みのデザインで構成しました。

色は当初、ブルーと黒のグラデーションだったのですが、編集者の希望により
グレーでまとめることになりました。

カバーの用紙はハンマートーン。
ハンマーで打ちつけたようなデコボコ感が特徴です。
単調になりがちなグレーのデザインに、
このデコボコで複雑なニュアンスを与えようと考えました。
さらにグレー部分の右側には、石のような点々をデザインしました。


カバー:ハンマートーンGA/スノーホワイト *グロスニス加工
表 紙:アヴィオン/ホワイト
見返し:タント/S-5(グレー)
オ ビ:コート紙

http://www.amazon.co.jp/平和構築へのアプローチ――ユーラシア紛争研究の最前線-広瀬佳一/dp/4905497183/

2014年1月27日月曜日

『新人を1か月で即戦力に変える教科書』


水野元気=著『新人を1か月で即戦力に変える教科書』(総合法令出版)の装丁を担当しました。

スミと赤、2色です。
最近、スミ文字が中心のものとか
ブルー系のビジネス書が多いけど
スミ+赤は少ないんじゃないですか?
というわけでベタな案です。

カバーもオビもわかりやすく2色!
赤はDIC198!

ついでに使ったフォントは「1か月」の「1」をのぞいて、
ぜんぶゴシックMB101/DB!
どうだ、わかりやすいでしょう!
(「1」はFutura)

「▶」の連続モチーフで「即戦力に変える」イメージを。



表紙も赤!
インクはDIC2510ですけど。
見返しは、タントの薄いグレーぽいやつ。


カバー:コート紙 *グロスPP加工
表 紙:アヴィオン/ハイホワイト
見返し:タント/P-70
オ ビ:コート紙 *グロスPP加工

2014年1月8日水曜日

『戦後史のなかの象徴天皇制』


こちらは昨年11月に刊行された河西秀哉=編著『戦後史のなかの象徴天皇制』(吉田書店)です。
文字通り象徴天皇制に関する研究書です。

装丁としては、なんといってもカバーに使う写真の存在感が大きく、それを生かすことが重要でした。
1946年に戦後巡幸(初めて使う言葉です)された昭和天皇と庶民の写真。
帽子をとる昭和天皇と、お辞儀するしながら視線をかわす男性。
戦前だったらこういうシーンは、なさそうですね。
鮮明な写真だったので、なるべく大きく使うようにしました。

表4は、2009年に即位20年をお祝いする国民式典での写真で
こうしたシーンではふつうなら正面下からの絵がおなじみですが
背後からのショットが新鮮です。
こちらも表1と同じ大きさで使用しました。

時代の離れたふたつの写真を使ったことで、戦後という時間の幅を感じてもらえるかと思います。



カバー:MTA+-FS *グロスニス加工
表 紙:アラベール/プリムローズ
別丁扉:TS-1/N-7
見返し:STカバー/びわ
オ ビ:コート紙