2013年6月27日木曜日

『当てるコンテンツ 外すコンテンツ』


2001年に装丁した本です。
なぜいまごろ、持ち出したかというと、こんなニュースを目にしまして。

インデックスが民事再生申請

この会社、三軒茶屋のキャロットタワーに本社がありまして
毎朝天気の確認とともに目に入っていたのですが、こんなことになっていたとは。
iモードの 「恋愛の神様」とかいう占い(?)のコンテンツを当てて大きくなったようです。
タカラとバウリンガルを開発したのも、この会社らしいですね。
何が悪かったんでしょうか。

それはさておき、こんな本です。
落合 正美 、渡辺 和俊=著『当てるコンテンツ 外すコンテンツ』(東洋経済新報社)

コンテンツ開発についての本というより、インデックスという会社についての本です。

きつまきさんというイラストレーターに絵を描いてもらいました。
絵をイラレ化して、赤の背景はこちらで塗りました。
表4までぐるっと続きます。


ケータイのアンテナが伸びるヤツだったんだなあ…
12年前だから「10年ひとむかし」以上だし、
このご時世じゃあ「三むかし」くらいに感じますね。


2013年6月21日金曜日

『がんばれ! 銚子電鉄』



  ぬれ煎餅を買ってください!

  電車修理代を稼がなくちゃ、いけないんです。


銚子電鉄のサイトのトップページにこんな文字が掲載されたのは7年前です。
経営危機のローカル線が間近に迫った車両点検費用のために、
ぬれ煎餅を買ってほしいという、切実なメッセージでした。
一時けっこう盛り上がり、ぬれ煎餅のおかげで経営も立て直したように思っていたのですが、そう簡単ではなかったようです。

「銚子電鉄」経営危機 「ぬれ煎餅」頼りでは…運行に支障も
当時、銚子電鉄の社員の方の書いた本の装丁を担当しました。

向後功作=著『がんばれ! 銚子電鉄 ローカル鉄道とまちづくり』(日経BP社)

ぬれ煎餅騒動の顛末についての本ではあるのですが
銚子電鉄をまちづくりの中心にしたいという著者の考えも書かれています。

装丁のポイントは、なんといっても写真です。
鉄オタの方々にも目にとめてもらわないといけないので
「いい鉄道写真」とする必要がありました。
車体がはっきりと見えるようにする、
線路横の畑はポイントが高いのでトリミングしない、
電柱(?)もはずさない…など。

写真は自体はスナップ写真に近かったので、かなり色を修正しました。
車体の赤を鮮やかにしたり、畑や森を明るくしたり。
実際に見たときの印象に近づけられていたら、いいのですが。

東日本大震災の風評被害もあり、経営はかなり切羽詰まっているようですが
どうにかならないんですかね。
 北三陸鉄道みたいにミスコンってわけには
いかないでしょうけどもねえ…じぇじぇじぇ


2013年6月13日木曜日

『薔薇は生きてる』


近所のCOWBOOKSという古書店に行ったら、昭和の古い本に混じって自分の装丁した本が並んでいました。
ふつうなら古書店に並ぶのはあまり歓迎したくないけれど、COWBOOKSは価値のある本を丁寧に扱っているところなので、スタンダードな本と認められたような気持ちでちょっと嬉しかった
購入する人も丁寧に扱ってくれることでしょう。

山川彌千枝=著『薔薇は生きてる』(創英社)

大正時代に生まれ16歳で結核で亡くなった山川彌千枝の散文、短歌、日記、書簡などを収録。
戦前からこれまで何度も出版されていて、本書は2008年刊行で10度目になるようです。

それだけ山川彌千枝の作品世界は人を(特に文学少女を)魅きつける力があるのだと思います。

オビ文は緒川たまきさん。
穂村弘さん、川上未映子さん、千野帽子さんの解説文も収められています。



絵は中村佑介さん。
装丁するときには、編集者が発注した装画ができあがっていました。
どういうふうに使ってもらってもいい、ということでしたが、
やはり絵を最大限生かすようにしました。
昭和初期なのに窓の外に高層ビルがあるのがポイントですね。


デザインには関わっていませんが宣伝用ポストカードも作られました。


表紙は、カバーと同じく薄いピンクのイメージで、水玉を散りばめました。

2013年5月24日金曜日

『兵士はどこへ行った』


前回に引き続き、戦争がテーマの本です。

の装丁をしました。

世界各地の軍用墓地や追悼施設を調査した著者が、戦死者追悼の問題について書いたものです。 
この問題は各地でもあるようですが、日本では特に落ち着かないですね。

こちらも2枚の写真を手渡されました。
著者の撮影したスナップ写真で、画像の状態はあまり良くありません。
左隅の撮影日時を消しつつ、下の写真の墓石の漢字が見えるように
色と質感を調整していきました。
上下に並べて対比させることにしました。

太いケイ囲みは整然と並んだ墓地のイメージから。
繰り返すことでさらにそのイメージが強くなると思ったのですが、
カバーではくどくなるので表紙で展開しました。



カバーまわりはグリーン系でまとめました。

カバー:ミルトGAスピリット
表 紙:エコジャパンR/ゆき
別丁扉:エコジャパンR/ゆき
見返し:OKフロート/こげちゃ
オ ビ:OKミューズコットン/しろ




2013年5月16日木曜日

『20世紀の戦争』



こちらは昨年刊行の本で、メトロポリタン史学会=編『20世紀の戦争 その歴史的位相』(有志舎)です。

ふたつの写真を使ってほしいと渡されました。
ひとつは第一次世界大戦のガスマスクをしたオーストラリア軍。
もうひとつは20世紀終わり頃の、海上自衛隊とアメリカ海軍の日米合同演習。
20世紀初頭と終盤の戦争の様子です。

いくつかのレイアウトを試してみたのですが、正面から対比させる形に落ち着きました。
古いモノクロとカラーの写真を、バックの色使いでなじませました。

オビはキャッチコピーに合わせ、戦争の生々しさを表すために
荒々しい風合いのレザック82ろうけつを。


中東をはじめ、いつ戦争が始まってもおかしくない地域は未だに多く、
どこかの市長は居酒屋談義のような発言で周辺諸国を刺激しています。
残念ながら、戦争の時代はまだまだ過ぎ去ろうとしない!ようです。

カバー:サンシオン/ハイホワイト
表 紙:アラベール/ラベンダー
別丁扉:サイタン/ホワイト
見返し:アラベール/ラベンダー
オ ビ:レザック82ろうけつ/白

2013年5月13日月曜日

『プロならその保険入りません!』


新書の装丁をしました。
藤川太=著『プロならその保険入りません!』(洋泉社新書y)

保険の選び方を指南してくれる本です。
タイトルにインパクトがあるのできっちり見せつつ
だけど、絵としてはスッキリ分かりやすく。
通行止めのマークとピクトグラムで作りました。

このほかにも、非常口に入ろうとしている人を引き止めるパターンとか
通せんぼしているパターンなど、考えました。
調子に乗ってだんだん複雑になっていって
かえってわかりにくくなったりして、良くないんですけど。

2013年5月7日火曜日

『みんなで考える家族・家庭支援論』


草野いづみ=編著ほか『みんなで考える家族・家庭支援論』(同文書院)の装丁です。

保育を学ぶ人(多くは保育士を目指す若い女性)のために書かれた本です。

保育と言っても子どもだけを見ていればよいわけではなく、親を含む家族のことも視野に入れる必要がありますが、どうしても自分のまわりのこと中心の知識に偏りがち。いろんな形の家族・家庭があることを知ってほしい…
なるべく手にとりやすい、優しい雰囲気に、ということでオレンジの地色に家族をイメージしたイラストを入れました。
(イラストは素材を加工して作成)

ボールを転がしたようなイメージは、先に出来上がっていた本文デザインを意識しました。(本文デザインは別の方です)


あまり重い色を使わず、パステル系の明るく落ち着いた装丁をめざし、ねらい通りキレイに仕上がりました。

28名分の著者名は、スラッシュ区切りなどでひとかたまりに見せたくないということで、改行してタテに並べ、なるべく一人ひとりがはっきり見えるようにしました。