2014年4月14日月曜日

『貧困の終焉 2025年までに世界を変える』


こちらは4月に刊行になった
ジェフリー・サックス=著、鈴木主税・野中邦子=訳『貧困の終焉 2025年までに世界を変える』(早川ノンフィクション文庫)です。

2006年の単行本が文庫になりました。
その装丁も担当しましたが、
今回は少し装丁の方向性が変りました。

こちら単行本。四六判上製。


貧困問題や経済開発などのテーマからすると、軽い装丁になっています。
「2025年までに世界を変える」とサブタイトルにあるとおり
貧困をなくすための方策が書かれた希望に満ちた本なのですが、
若いひとにさけられないように、あまり難しそうに見えないように
という意味がありました。
パールインキや、明るめの色使いで軽さを出しました。
ややいかついメインタイトルよりも、サブタイトルを目立たせています。
オビには、序文を書いたU2のボノの写真も入りました。
うれしいことに版を重ね今回、文庫になりました。

今回の文庫の方は、内容をはっきり伝えるためタイトルは大きく、
単行本のときの軽さは軽減させました。
背景のドットの地図は踏襲しています。


640ページ、1300円(+税)と、文庫としては軽くありませんが
学生さんなどには手に取りやすくなったと思います。
貧困問題、グローバリゼーションなどに興味のある方も、ぜひ!

2014年3月31日月曜日

『循環器ナースが知っておきたい心電図と心臓カテーテル 15の落とし穴』



2013年末と少し前になりますが
高橋玲比古=著、齋藤滋=監修『循環器ナースが知っておきたい心電図と心臓カテーテル 15の落とし穴』(照林社)
の装丁を担当しました。

タイトル通り循環器ナースに向けた本。
Q&A形式でわかりやすく、実践的内容…だそうです。
(専門的なことでよくわからず)


最初はイラストを使用した柔らかめの装丁の予定でしたが
ビギナーではなく中級者ナース向けで、内容もしっかり伝えたいということで
心臓カテーテルの写真を使い少し堅めの方向になりました。
写真はグレーだったので明るめの色をつけ、薄く模様を入れるなどして
暗い雰囲気にならないように。
サブタイトルまで入れるとかなり長いタイトルになるので
文字のバランスに気を配りました。

表紙は2色。
こういう本は現場で邪魔にならないようにカバーを取ることも多いので
表紙も大事です。




中は石川ともこさんの柔らかいイラストで、確かにわかりやすそう。


15の項目も覚えやすそうです。





2014年3月29日土曜日

『中国語成語ハンドブック』


こちらは3月に刊行された
沈国威・紅粉芳惠+関西大学中国語教材研究会編『中国語成語ハンドブック』(白水社)です。

「成語」とは日本語で言う四字熟語のようなもの。
中国語学習の中級者向けの本ですね。
初心者向けではないですが、重厚ではなく少し明るい雰囲気に仕上げました。

カバーはシンプルにコート紙+マットPP加工ですが
表紙は皮模様の紙クロス、シルビーヌ/LAMです。
クロスの風合いで、カバーを外してもヨゴレを気にせず使えます。


見返しは、色上質/桜でちょっとかわいく。
春だし。


2014年3月27日木曜日

『福助戦記』


久しぶりの更新です。だいぶ時間が開いてしまいました。

先日、藤巻幸夫さんが亡くなりました。
54歳だったそうです。
伊勢丹や福助で発揮した手腕で日本の文化を海外に売り込むなど、政治家としてこれから活躍が期待されるところだったのに、悔やまれます。

その福助時代のことを書いた本を、以前装丁しました。
「福助戦記」編集委員会=編『福助戦記』(ゴマブックス)

2003年、民事再生法の適用を受けた福助株式会社に乗り込んだ川島隆明氏と藤巻幸夫氏。
ふたりがわずか1年で福助を変革し、見違えるように再生するまでを描いた「戦記」です。

福助のマークを大きくあしらい、UV加工も施してタイトルよりも目立たせています。

2005年刊行で、白いカバーもやけてしまいました。
残念ながら現在は古書としてしか入手できません。

藤巻幸夫氏のご冥福をお祈りします。


2014年1月29日水曜日

『平和構築へのアプローチ』


こちらの本は装丁を担当した、
伊東孝之=監修、広瀬佳一・湯浅剛=編『平和構築へのアプローチ』(吉田書店)です。
紛争と平和構築に関する研究書です。

A5判で440ページのボリューム感、3,800円+税という定価を考え
あまり軽い感じではなく、それなりに落ち着きのある装丁を考えました。
といっても、重苦しいのもよくないので、
グラデーションと白い切り込みのデザインで構成しました。

色は当初、ブルーと黒のグラデーションだったのですが、編集者の希望により
グレーでまとめることになりました。

カバーの用紙はハンマートーン。
ハンマーで打ちつけたようなデコボコ感が特徴です。
単調になりがちなグレーのデザインに、
このデコボコで複雑なニュアンスを与えようと考えました。
さらにグレー部分の右側には、石のような点々をデザインしました。


カバー:ハンマートーンGA/スノーホワイト *グロスニス加工
表 紙:アヴィオン/ホワイト
見返し:タント/S-5(グレー)
オ ビ:コート紙

http://www.amazon.co.jp/平和構築へのアプローチ――ユーラシア紛争研究の最前線-広瀬佳一/dp/4905497183/

2014年1月27日月曜日

『新人を1か月で即戦力に変える教科書』


水野元気=著『新人を1か月で即戦力に変える教科書』(総合法令出版)の装丁を担当しました。

スミと赤、2色です。
最近、スミ文字が中心のものとか
ブルー系のビジネス書が多いけど
スミ+赤は少ないんじゃないですか?
というわけでベタな案です。

カバーもオビもわかりやすく2色!
赤はDIC198!

ついでに使ったフォントは「1か月」の「1」をのぞいて、
ぜんぶゴシックMB101/DB!
どうだ、わかりやすいでしょう!
(「1」はFutura)

「▶」の連続モチーフで「即戦力に変える」イメージを。



表紙も赤!
インクはDIC2510ですけど。
見返しは、タントの薄いグレーぽいやつ。


カバー:コート紙 *グロスPP加工
表 紙:アヴィオン/ハイホワイト
見返し:タント/P-70
オ ビ:コート紙 *グロスPP加工

2014年1月8日水曜日

『戦後史のなかの象徴天皇制』


こちらは昨年11月に刊行された河西秀哉=編著『戦後史のなかの象徴天皇制』(吉田書店)です。
文字通り象徴天皇制に関する研究書です。

装丁としては、なんといってもカバーに使う写真の存在感が大きく、それを生かすことが重要でした。
1946年に戦後巡幸(初めて使う言葉です)された昭和天皇と庶民の写真。
帽子をとる昭和天皇と、お辞儀するしながら視線をかわす男性。
戦前だったらこういうシーンは、なさそうですね。
鮮明な写真だったので、なるべく大きく使うようにしました。

表4は、2009年に即位20年をお祝いする国民式典での写真で
こうしたシーンではふつうなら正面下からの絵がおなじみですが
背後からのショットが新鮮です。
こちらも表1と同じ大きさで使用しました。

時代の離れたふたつの写真を使ったことで、戦後という時間の幅を感じてもらえるかと思います。



カバー:MTA+-FS *グロスニス加工
表 紙:アラベール/プリムローズ
別丁扉:TS-1/N-7
見返し:STカバー/びわ
オ ビ:コート紙