2013年9月30日月曜日

『謎解きの英文法 時の表現』


こちらは久野すすむ・高見健一=著『謎解きの英文法 時の表現』(くろしお出版)

ネイティブは、日本人が学校で習ったのとは違う文法で話します。
この本は英文法の解説書で英会話のことも多く取り上げられていますが、
単純に話すというより、ネイティブの感覚に迫ることを追求しています。
以前装丁したこの本とは逆の方向性です。
あちらは「こまかい文法なんか気にせず通じる英語を話せ」という
コンセプトですからね。

カバーは3色で、オビが4色。
キャッチコピーとハンバーガーで、何を表しているかわかると思います。
最初はその会社の商品の一部を載せようと、簡単に撮影までしたのですが
やはりいろいろと問題があることがわかり…
まあ大きい会社ですし、しょうがないですね。

オビをはずすと「?」と本書で取り上げた言葉が載っています。


この『謎解きの英文法』シリーズはこれで6巻めで
今回はデザインのマイナーチェンジをしています。
1巻めは2004年に刊行されています。

以前は、ルーペをモチーフにしていました。


マイナーチェンジにあたり、鍵と鍵穴をモチーフにしたものや
探偵シルエットなど「謎解き」イメージでいろいろ作ったのですが
これになりました。

日経新聞用に半5段の広告もつくりました。
キャッチコピーが書名より大きくなってはいけないという決まりがあるそうで。
知らずにやり直しになりました。


2013年9月26日木曜日

引地渉×星野勝之 二人展、町田尚子個展&『うそつきの進化論』



ギャラリーをハシゴしました。

まずは、タンバリンギャラリーでの引地渉×星野勝之 二人展

SF的設定でストーリーをつくり、それを絵にしていくという展示。
空と地のふたつの国で進行するストーリーが最後はひとつになり
絵も最後は巨大な合作が展示されていました。
ふたりの絵はそれぞれとてもカッコよく、
合作の絵もふたりで描いたとは思えないほど一体感があります。
自分たちで考えたというその設定が、とにかく凝っています。


ふたりが好きなSF的世界観を追求するこの展示には、なんというか強度があります。
個展ではなく複数人数での展示は、こういうマインドが必要ですね。

  *  *  *
  
つづけて、ギャラリーハウスマヤでの町田尚子個展「hovering」


こちらは絵本『おばけにょうぼう』(内田麟太郎/イースト・プレス)の原画数点と、描き下ろしの新作が並んでいました。

町田さんの絵はダークな幻想性を感じさせますが
この絵本の絵は、まあほとんど怖い感じの絵なのですが、
その中にコワカワイさというか、チャーミングさがあります。

新作の絵の方も、変らずの世界観。
少女と猫や動物が何か訴えかけるように登場します。

町田さんとはずいぶん前に2度ほどお仕事をしました。
そのうちのひとつ、デイヴィッド・リヴィングストン・スミス=著、三宅真砂子=訳
『うそつきの進化論―無意識にだまそうとする心』(NHK出版)



「うそをつく」ことの心理の考察の本です。
町田さんのこの絵が、本とうまく響き合うように思い、貸してもらうことにしました。

絵の色に合わせて、カバーまわりもイエロー〜オレンジの色使いに。



カバー:Mr.B/ホワイト *グロスPP加工
表 紙:OKエコジャパンR/ゆき
別丁扉:タント/Y−6
見返し:ビバルデ/ダリア
オ ビ:ボス/タマゴ


2013年9月25日水曜日

『これからの中国ビジネスがよくわかる本』


8月末頃に刊行になった村尾龍雄=著『これからの中国ビジネスがよくわかる本』(ダイヤモンド社)の装丁をしました。

内容的には実務書に近く、こういう本はA5判でつくられることが多いのですが
柔らかくて読みやすいということで四六判でつくられました。

これによると、尖閣諸島問題などで中国を嫌う人が多く、中国の経済や未来を過度に悲観視することが多なっていますが、少なくともつぎの辰年(2024)までは成長する見込みなので、好き嫌いにとらわれず収益を上げる努力をすべきだ、ということです。
「辰年」の根拠はあるのですが、ちゃんと説明できません…ご興味のある方は本書をご覧ください。
特に中国でビジネスを行っている会社のかたは、ぜひ。


中国本らしく赤は使いたいけどもベタなのは避けつつ
こんなデザインにしました。
丸いモチーフでやや「中国」感が?
タイトルを筑紫A丸ゴシックで柔らかさを出しました。

オビには島耕作。
いくつかの絵の中から、背景に上海のタワーがある中国らしいものを選びました。
章扉でも島耕作を使用しています。


本文デザインも担当しました。
大見出し、小見出し、コラムがあったり強調部分があったり
後にはヨコ組で特別附録でQ&Aがついていたり
けっこう細かく指定しました。




2013年9月3日火曜日

『武士道と100人のサムライ』



こちらはムックです。

表紙まわり(表1〜4)のデザインを担当しました。

写真はアマナ・イメージズで見つけたもの。
寄り気味の刀の写真などもあってそれもよかったのですが
アップになると刀のクオリティがよくわかり、
イミテーションぽく見えてしまい(イミテーションなんでしょうが)
ちょっと興が削がれるのでやめました。

上部にオビ状にしいた朱色は、はっきりと目立つよう特色です。

「サムライ」と言っても身分としての「侍」ではなく、
武士道を的な生き方をした人々。
茶人の千利休や、新島八重など女性、幕府が瓦解したあとの人物も含まれ、「武勇・智略」「忠義・義」「剣」などのテーマに分けられて100人が紹介されます。

それぞれ2ページ〜半ページくらいのさわり程度の分量で、歴史初心者向けかと思います。
歴史上の人物を武士道という切り口で知るにはぴったり。
見開き完結で、ちびちび読むのにも。