2011年9月30日金曜日

『それでもなお、人を愛しなさい』


少し前の本ですが、
昨年8月に刊行された『それでもなお、人を愛しなさい』(早川書房)、
8年前の本の新装改訂版です。

旧版はイラストが使われていて、自己啓発本らしい装丁だったのですが
新装にあたってビジネスパーソンにも届きやすい
すっきりとした装丁になりました。
表紙や見返し、別丁扉などは、オレンジ系でまとめました。

4月にTV番組で取り上げられて急遽オビを変えたのですが
こちらは黄緑色です。



内容は

「人は不合理で、わからず屋で、わがままな存在だ。
それでもなお、人を愛しなさい」

といった人生訓「逆説の10カ条」と、その解説の本です。
10カ条はマザー・テレサの孤児院の壁に書かれていて広まったのですが
作ったのはアメリカの19歳の学生です。
もともとは高校の自治活動のために書かれたその言葉が、
巡りめぐってマザー・テレサの心を動かし、
そして多くの人に届くことになりました。
日本でも本書の解説の佐々木常夫氏が著書で取り上げたり
勝間和代氏がブログで紹介したりしています。
25年前に書いた言葉が、時を経て大きく広がって戻ってきたことに
本人(著者)も不思議な感じを抱いたようですが
それだけ普遍性があり、速攻性はなくとも
伝播力の強い言葉なのだと思います。

この本も、ぜひロングテールで人の手に渡ってほしいと思います。

2011年9月25日日曜日

『不比等を操った女』

こちらは6月刊行の、古代史をめぐるミステリーを扱った
『不比等を操った女』(河出書房新社)です。

夕暮れの平城京をモチーフにミステリアスな雰囲気を出しつつ
県犬飼三千代という、女性がメインということで
カバーに和風の文様も敷いてみました。
表1では四隅にしかないのでわかりにくいですが。


表紙と別丁扉にもこの文様を使い
色使いはえんじ色〜サーモンピンクにしました。
歴史書の読者はかなり高年齢の男性率が高く
従来の読者に避けられないようにしつつ
それ以外の人にも手に取りやすいように、という
なかなか難しい狙いなのです。



2011年9月20日火曜日

『新版 富裕層の新納税術 海外タックス・プランニング』





















こちらはできあがったばかりの
『新版 富裕層の新納税術 海外タックス・プランニング』(総合法令出版)です。
2年前の本の改訂版で、税制や震災、株安など情勢の変化に
対応してバージョンアップしたものです。
実は装丁はほとんど同じ、「新版」がついたのと、
オビのテキストが変わっただけなのです。

いやいや同じだからって、手抜きじゃないですよ、もちろん!
前版がある程度認知されているので
あまり変化させない方がいいという理由です。
それだけ好評だったということで、うれしいですね。
六本木など都心の書店や、金融関係などに売れ行きがいいようです。

オビをとると、焦げ茶がしかれています。
この色は赤+スミなので、カバーはリーズナブルな2色印刷。
その分、オビは金+スミ+イエローと贅沢な色使いです。

それにしても、いつかこの本に書いてあることが
役立つような身分になりたいものだ…(遠い目で)





2011年9月16日金曜日

友田萌衣個展「1001分の10の星新一展」


「星新一」つながり、というわけでもないですがgallery DAZZLEの
友田萌衣さんの個展「1001分の10の星新一展」に行ってきました。

「星新一トリビュート展」と同じ星新一がテーマですが
こちらは、10の物語に挿絵のように絵をつけていくというもの。
友田さんの絵はまだ未分化のところもありましたが
星新一の世界を懸命に表現しようとしていました。
今回の作品は大学の卒業制作として
1冊の短編集にまとめたいとのことでした。

今後はイラストレーターを目指すという友田さん。
絵もさることながら、作品に対する取り組み方など
将来に期待が持てる点が多いと思います。
がんばって立派なイラストレーターになってください!


2011年9月5日月曜日

『他人の「アタマ」と「力」を使いこなしなさい!!』























人脈作りがテーマですが、新たな人脈作りよりも
いまある人脈をうまく「使いこなして」
成果を上げようというもの。

カバーは自分を中心に広がる人脈をイメージしました。
明るく軽いテイストで、とくに若手から中堅会社員に
手に取ってもらいやすさが狙いです。
かなり長いタイトルなので、うるさくなくまとめるのに苦労しました。
結局、一カ所にまとめてしまいましたが。


この本は、本文フォーマットも担当しました。
章扉が見開きになっているというのがポイント。
(章扉イラストは坂木浩子さん)











2011年9月3日土曜日

『「はい」と言わない大阪人』


























星新一トリビュート装丁展の作品をアップしようとしているのですが
点数も多く、なかなか進みません。
展示前はあんなにヒマだったのに、
終わったとたんに忙しくなってしまったこともあり…
言わけがましいですか。

かわりに、というわけではないけど
最近の仕事の作品をアップします。
昨年から今年にかけての作品を順次アップしていこうと思います。

まずはKKベストセラーズ刊『「はい」と言わない大阪人』
著者はわかぎゑふさん。
中島らもとお芝居をやっていた人…というざっくりしたイメージだったのですが
NHKの『リトル・チャロ』の原作者でもあるんですね。

POPとA3サイズのパネルも作りました。





















オビとこれで、内容がわかってもらえると思います。
素朴なイラストも本人で、中にもたくさん。
見開き完結のコラムスタイルなのですが
巻末に、東京の少年が大阪の親戚に2週間身を寄せる…
というラジオドラマのシナリオが載っていて
ちょっと泣かせます。

カバーは3色で、タッセルGAという
細かい編み目もようの風合いの紙を使いました。

この本、大阪ではけっこう反響があるようなのですが
どっちかというと大阪以外の人に読んでほしい
ものなんですけどね…