2016年12月16日金曜日

『50歳からはじめる人生整理術』




柴田和枝=著『50歳からはじめる人生整理術 終活のススメ』

就活ならぬ「終活」のススメとあるように
人生の幕引きの時のためにさまざまなモノやコトを整理しておく整理術の指南書です。
対象はかなり具体的で、写真整理とデジタル遺品(ネットサービスのアカウントなど)
それに自分の思いや希望を伝えるためのエンディングノートの作り方。
かなりデジタル寄りなのです。

写真は本人が亡くなってからでは整理が大変。
デジタル機器を活用して整理する方法や、スキャナーの選び方まであって親切です。

エクセルのエンディングノートがダウンロードできて、こちらも便利。

デザインとしては、デジタルっぽくなりすぎないように、
リビングテーブルの上にさりげなくあっても違和感ないような
そんな装丁を目指しました。



それにしても「終活カウンセラー」というのがあるんですね。
著者は「写真整理アドバイザー」という資格制度も立ち上げたそうで、知らないところでいろいろ世の中は進化してますね・・・

2016年12月14日水曜日

『キューバ革命 1953〜1959年』



こちらは装丁を担当した河合恒生=著『キューバ革命 1953〜1959年』(有志舎)

この本についての版元のブログです。
有志舎7月の新刊、『キューバ革命 1953~1959年』
カストロの死去と『キューバ革命』

この本が刊行された4か月後にカストロが亡くなり
期せずしてキューバ革命を振り返るタイミングになりました。

青い横ラインと赤のアクセントはキューバの国旗をイメージ。
帯の地にうっすら入った三角も。

・カバー:Mr.B/ホワイト
・オ ビ:コート紙
・表 紙:NTストライプGA/クリーム
・見返し:NTストライプGAクリーム
・別丁扉:TS-7/P-67(水色)

2016年12月7日水曜日

『台与の正体 邪馬台国・卑弥呼の後継女王』




こちらは装丁を担当した関裕二=著『台与の正体 邪馬台国・卑弥呼の後継女王』(河出書房新社)

わずか13歳で女王・卑弥呼の跡を継いで、やがて国を治めたとされる台与(とよ)の正体をテーマにした一冊。古代史分野で人気の関裕二氏の本です。

関裕二氏の本はいくつか装丁したことがあります。
アメノヒボコ、謎の真相(河出書房新社)
応神天皇の正体(河出書房新社)
異端の古代史シリーズ(KKベストセラーズ)

毎回、ミステリアスな雰囲気を醸し出す写真を探しています。

今回、カバー用紙はエンボス系のものを使用。




角度によってはけっこう強めに見えて、ミステリアスな雰囲気を下から支えている感じでしょうか。

・カバー:パターンズ/エグシェル/ホワイト
・オ ビ:コート紙
・表 紙:アヴィオン/ハイホワイト
・見返し:やよいカラー/ぐんじょう
・別丁扉:パターンズ/エグシェル/ホワイト

2016年12月5日月曜日

『日本語教材研究の視点』



吉岡英幸/本田弘之=編『日本語教材研究の視点 新しい教材研究論の確立をめざして(くろしお出版)

こちらは日本語学の書籍。
はじめは専門書によくある抽象的な柄や幾何学的なモチーフを使ってデザインしたのですが、「教材(本)がたくさんあるようなイメージ」もいいということで、このように。
ふわっとした写真がこうした分野の本では新鮮です。

なんとなく自分が使っているメガネに似てます。



・カバー:MTA+-FS *グロスPP加工
・オ ビ:エコジャパンR/ゆき
・表 紙:アヴィオン/ハイホワイト・見返し:色上質/ラベンダー

『ファイナンス業務エッセンシャルズ』



こちらは中西哲=著『ファイナンス業務エッセンシャルズ』総合法令出版 )

わかりにくいかもしれませんが、ちょっと変形です。
A5判変形/天地210 × 左右134mm
左右が通常より14mm短く。

とにかく文字を中心にシンプルでカッコよく。
そんな要望でした。
いろいろ考え、いろいろ作りました。
最終的にはシンプルな白地に銀の欧文、オレンジのタイトル文字で決定。
オビを外してもすっきりと。



・カバー:雷鳥スーパーアートN *グロスPP加工
・オ ビ:パターンズ エグシェル/ホワイト
・表 紙:ピムズマット
・見返し:色上質/黒

2016年12月4日日曜日

『中日辞典 第3版』



昨年、『日中辞典 第3版』のお仕事をさせていただきましたが
日中辞典 第3版
それと対になる『中日辞典 第3版』もできあがりました。

『日中』制作時に『中日』のデザインもほぼ作り上げていました。
ケースの背の部分のデザインを『日中』の背幅に合わせていたのでそれを『中日』用にあわせるなど、今回は調整作業が中心でした。



ケースの「中日辞典 第3版」の文字部分は浮き出し加工を施しています。
特に「辞典」が黒地に青文字で、色校の時にはやや見えにくかったのですが、この加工ではっきりするようになり、とても効果的でした。




本体のビニールクロスはうすいブルー系で。
見えにくいですが文字部分はブルーの箔押しです。




二冊とも厚みがありますが、軽快なデザインで重さを感じさせないのではないかと思います。
(実際とのところ一冊1kgほどあるのですが)

辞書はそうたくさん作るものではないし、たびたび改訂できるものでもありません。スタンダードな辞書だと10年以上店頭に並び、使われることになります。中日辞典第2版も2002年刊行ですから15年近くですね。
そう思うと身が引き締まりましたが、それだけの重要なデザインに関わらせていただきとても光栄でした。今までの中国語の辞書にはない新鮮なデザインに仕上がりました。
第3版も中国語学習者の方に末長く使っていただけることを願っています。





2016年12月2日金曜日

『名詞類の文法』



福田嘉一郎 ・建石始=編『名詞類の文法』(くろしお出版)

こちらは装丁を担当した日本語学の専門書です。

専門書の装丁にはあまり具体的な注文を受けることはないのですが
(「明るく」「重厚に」など雰囲気の方向性だけのことが多い)
この本ははっきりと「薔薇を使ってほしい」との注文がありました。
研究者にとっては「名詞」と「薔薇」はつながりがあるそうなのです。

『薔薇の名前』という小説・映画がありますね。
ウンベルト・エーコ作で、映画ではショーン・コネリーが主演でした。
映画はかつて観た覚えがあります。(だいぶ忘れていますが)

 
小説『薔薇の名前』


映画『薔薇の名前』

ミステリー仕立てになっていますが、その中で普遍論争とか唯名論とか哲学的な話が出てきて、「薔薇」という名詞が「薔薇そのもの」を指すのか「薔薇という概念」を指すのかというような論争あるということなのです。(いまよく分からないまま書いてます)
それで「薔薇」と「名詞」が並ぶと、分かる人にとっては「あ、あのことだな」となるそうなんです。

というわけで「薔薇を使いたい、いろんな色や形の薔薇を」ということでした。

リアルな薔薇だと派手で落ち着きがなくなるため、シンプルなイラストで色も抑えめにしました。

『接頭辞・接尾辞・連結形の短期集中講座』



こちらは五十嵐博=著30日速修 ネイティブ・レベルの語彙習得への道 接頭辞・接尾辞・連結形の短期集中講座』(国書刊行会)

英語上級者を目指す方のための一冊。
タイトルが専門的ですが、あまり堅苦しくならないように注意しました。
英検1級・準1級、TOEIC700点以上、TOEFL受験対応。ビジネスパーソン・留学生のためのネイティブ・レベルの英語力修得にも。


『これが広島弁じゃ!』


こちらは11月に刊行になったばかりの
灰谷謙二=監修『これが広島弁じゃ!』(洋泉社)です。
カバーイラスト=白滝きのこ

タイトル通り広島弁の例をたくさん掲載した本です。
なんとなく赤い色使いになるのは、やはりカープの影響でしょうか。
優勝で盛り上がってますしね。

本文の見出し(と章扉)もデザインしました。



以前、尾道市立大学からお誘いを受け講義をしたことがあります。
「信頼と裏切り」尾道市立大学美術学科 特別講演

知り合いが教授になったことがきっかけだったのですが
それ以前にも展示会で尾道大の学生さんとちょっとした縁があったり。

そして今回は尾道大教授監修の書籍…(直接は存じ上げませんが)
しかも依頼をくださった編集者の方も、以前からのお付き合いなのですが尾道出身だということが判明!

なんでしょうこの不思議な尾道つながり。
導かれているのであれば、また行かねば…
次は坂道で膝をやられないように鍛えておかないと。


『ミッテラン カトリック少年から社会主義者の大統領へ 』



8月の展示の前からすっかり間が空いてしまいましたが
仕事もしっかりしておりました。当たり前ですが。
夏以降の仕事をアップしていきます。

まずは『ミッテラン カトリック少年から社会主義者の大統領へ 』(吉田書店)ミシェル・ヴィノック=著、 大嶋厚=

1981年から14年間にわたってフランス大統領を務めたミッテラン氏の生涯が描かれた一冊です。
自分としてはフランスの大統領といえば、長く務めたということもあるでしょうがミッテランという印象が強いです。
その次のシラクまでは重厚な「大人」感がありますが、その後のサルコジからは若さのせいか、なんだか頼りない感じもあります。まあ自分が歳をとっただけかもしれませんが…

コート姿の渋い横顔の写真の案が採用になりました。
カバーは、スミ+DIC240(黄土色)の2色印刷。
写真にもDIC240を少し足しています。

・カバー:ヴァンヌーボVG/スノーホワイト *グロスニス加工
・オ ビ:モデラトーンGA/ホワイト
・表 紙:モデラトーンGA/ホワイト
・別丁扉:アラベール/ナチュラル
・見返し:ビオトープ/ダークブラウン

2016年7月18日月曜日

江戸川乱歩奇想短編集装丁展


 今年も装丁展を開催します。

昨年は太宰治「女生徒」がテーマにでした。
今回は江戸川乱歩です。
http://www.timelessbooks.info/rampo/

江戸川乱歩奇想短編集装丁展
2016年8月5日(金)ー 8月10日(水)
OPA gallery 東京都渋谷区神宮前4-1-23.1F TEL 03-5785-2646

江戸川乱歩の短編の中から「奇想」と呼ぶべき
七つの作品を集め短編集を作りました。
そしてオリジナルのイラストで装丁を施しています。
 今回は、七つの短編をつなぐオリジナルストーリー『R熱』も収録しています!

8月5日(金)から10日(水)と6日間の展示です。
ぜひお越しください! 

2016年6月18日土曜日

『徹底比較 日本語文法と英文法』


こちらは畠山雄二=編『徹底比較 日本語文法と英文法』(くろしお出版)
装丁を担当しました。
A5判並製

「日本語文法と英文法を並べて比較し、類似点や相違点を通して双方の文法が学べる新しいタイプの文法書。日本語文法を通して英文法がわかり、英文法がわかることで日本語文法を見直せる。」という本です。
左ページに日本語文応、右ページに英文法で対比できるようになっています。

デザインも「左右で対比」のイメージで、グラフィック処理。
わりあいカッチリしたイメージに仕上げています。


畠山雄二氏の本は1年前にも装丁させていただきました。
『大人のためのビジネス英文法』(くろしお出版)

こちらはもっと柔らかいイメージの本でした。

2016年6月16日木曜日

『外国語教育は英語だけでいいのか』


こちらは装丁を担当した
森住衛/古石篤子/杉谷眞佐子/長谷川由起子=編 
『外国語教育は英語だけでいいのか グローバル社会は多言語だ!』(くろしお出版)
A5版並製

現在の外国語教育に、英語以外の外国語も取り入れるべきだという主張をまとめた論文集。
外国語教育にアラビア語、韓国・朝鮮語、スペイン語、中国語、ドイツ語、フランス語、ロシア語を取り入れるべきだということを提言しています。

多言語、多様性を表すために様々な国の人が一緒に学んだり働いたりする姿の写真を使いました。
明るめの配色で爽やかにまとめました。

・カバー:ヴァンヌーボVG/スノーホワイト *グロスPP加工
・オ ビ:タント/P-58(淡クリーム)
・表 紙:タント/L-57(クリーム)
・見返し:色上質/白茶

2016年6月3日金曜日

『フランス語そのまま使えるフレーズブック』



 久松健一、 関未玲、富塚真理子=著『フランス語そのまま使えるフレーズブック』(白水社)B6判並製

装丁を担当しました。
以前、同社での装丁担当本 中国語成語ハンドブック』をごらんいただいての発注でした。
そういうことで、三角形イメージでちょっと似てます。

春先の刊行だったので、桜色でまとめました。

でも、カバーを外すとシックな紺色になっています。
読者は主に中高年の男性だそうで、落ち着いた感じにしました。
表紙はエンボスの利いたクロス系の用紙です。



『知財戦略のススメ』


鮫島正洋、小林誠=著『知財戦略のススメ コモディティ化する時代に競争優位を築く』(日経BP社)A5版並製

装丁を担当しました。
2月刊行ですが4月には3刷重版出来! と売れ行きも好調だそうです。

知財=知的財産とは、発明や創作で生み出されたものを保護する権利。
具体的なイメージがあるわけではないので、
装丁も抽象的でグラフィカルなものになりました。
著者のひとり鮫島正洋氏は『下町ロケット』の神谷弁護士のモデルだそうです。
オビでは控えめにアピールしています。


2016年6月2日木曜日

『こんな時代にたっぷり稼げる株の見つけ方』


天海源一郎=著『こんな時代に たっぷり稼げる株の見つけ方』(幻冬舎)
四六判並製

天海源一郎さんの本の装丁は、これで5冊目になります。
今までの本も札束を積み上げたり(
金の延べ棒をめいっぱいアップにしたり()したのですが
今回も諭吉さんにロックオン!です。

今回は赤を基調にしました。
表紙も赤!です。


・四六判並製
・カバー:MTA+-FS *グロスPP加工
・オ ビ:コート紙
・表 紙:NTラシャ/濃赤
・別丁扉:クラシッククレストST-FS
・見返し:NTストライプ/クリーム

『ビジネスパーソンのための快眠読本』



こんな内容になっています。
眠りについて関心のある方はぜひどうぞ!

『第6版 投資家のための金融マーケット予測ハンドブック』


三井住友信託銀行マーケット事業=著『第6版 投資家のための金融マーケット予測ハンドブック』(NHK出版)A5版並製
こちらは第3版から装丁を担当させていただいている本で、第6版になりました。
第5版は3年前の刊行です。

毎回 決まりはないのですが、第5版では三井住友信託銀行の
コーポレートカラー(のうちブルーを使用したので
今回はイエローグリーンを中心にデザインしました。

2016年3月21日月曜日

『創られた「人種」』


こちらは装丁を担当した、黒川みどり=著
『創られた「人種」-部落差別と人種主義(レイシズム)-』(有志舎)です。

人種主義と部落差別について書かれた本です。
第4章では被差別部落と向き合ってきた作家・中上健次について書かれています。

その中上をはじめ、本書で取り上げられている人物の写真を使って
カバーデザインを構成しました。

幾何学模様の地紋を使い、ほんのり桜色の色あいで
あまり重苦しくならないようにしました。

・四六判上製
・カバー:MTA+-FS *マットPP加工
・オ ビ:コート紙
・表 紙:エコラシャ/にゅうはく
・別丁扉:エコジャパンR/ゆき
・見返し:新・星物語/キャメル

2016年3月9日水曜日

『フィルターバブル』


装丁を担当しました。
こちらは3月9日に発売になった
『フィルターバブル』(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)です。

版元の紹介より─

インターネットの検索や購買記録の傾向から、
その人にぴったりの検索結果やお薦めを表示するパーソナライズ技術。
パーソナライズドフィルターによって、
人は自分が興味を持っている情報や企業の薦める情報ばかりを見るようになり、
「フィルターバブル」に閉じこもることになる――。

「フィルタリング」問題に警鐘を鳴らすニューヨーク・タイムズ・ベストセラー。
『閉じこもるインターネット――グーグル・パーソナライズ・民主主義』改題文庫化。


メガネ少女は町田七音さんの立体イラストによるもの。


装丁を考えているときに近くで町田さんの個展が開かれていて
それを見て「これはこの本にぴったりだ!」
タイトルから「バブルに閉じ込められている人物」のイメージで
装丁を依頼されていたのでした。

町田さんの個展には、さりげない人物の作品がたくさん並んでいて
ほかのものでも提案していたのですが、こちらが採用になりました。

彼女は個展で買い手がついてもらわれていったのですが
持ち主に撮影のお願いをして、こうして形になりました。
個展終了後1か月で本が書店に並ぶというスピードでした。
町田さんと大人気の彼女に感謝です。

2016年2月3日水曜日

『サッチャーと日産英国工場』



こちらは装丁を担当した
鈴木均=著『サッチャーと日産英国工場』(吉田書店)

イギリスが経済衰退していた70年代、サッチャー首相は日産を誘致して自国の自動車産業をよみがえらせたその過程を描いたもの。 
いまの日本も当時のイギリスと同じく、成長はとまり下り坂を迎えているところ。貴重な先例となるようです。

サッチャーの写真はカラーでしたが、拡大で画質が落ちたこともありモノクロで使用しました。

・四六判上製 
・カバー:ヴァンヌーボVG/スノーホワイト *グロスニス加工
・オ ビ:コート紙 
・表 紙:NTラシャ/うす藤紫 
・別丁扉:タント/N-9 
・見返し:NTラシャ/セピア

2016年1月29日金曜日

『自民党政治の源流 ―事前審査制の史的検証』



こちらは、奥健太郎・河野康子=編『自民党政治の源流 ―事前審査制の史的検証』(吉田書店)

自民党の事前審査制について書かれた書籍です。
写真は1955年の自民党結党の際、党本部に看板を掲げたときのもの。
左端は岸信介幹事長。

装丁としては奇をてらわず
写真、タイトルとも大きめに
堂々とした 感じで。

・A5版上製 
・カバー:アヴィオン/ハイホワイト *マットPP加工
・オ ビ:コート紙

・表 紙:サイタン/ホワイト
・別丁扉:アラベール/ナチュラル
・見返し:タント/N-12

2016年1月25日月曜日

『日中辞典 第3版』



「舟を編む」仕事に携わらせていただきました。

北京・対外経済貿易大学、北京・商務印書館、小学館=編『日中辞典 第3版』です。ケース、表紙など外回りのデザインを担当しました。

ちなみに第2版はこちら。

 

「☆」「赤」など中国らしさを意識したデザイン。
装丁は、ザ・装丁家=菊池信義さん。
(けっこうなプレッシャーです…^^;)

新版は中国らしさを意識しない装丁にとのこと。
日中辞典のスタンダードとして第2版から15年ぶりの改訂、
こちらもそれと同じくらいの期間使われることを考えて、
当初は辞書らしいオーソドックスな落ち着いたデザインに、
少し変化をくわえる方向で考えていました。

ですが、古いイメージにとらわれていたんですね、
ちょっと堅いデザインになっていたようです。
もっと明るく新しい装丁にしたいとの編集者さんの言葉で思い直しました。
その後、自分らしいデザインで提案し、このようになりました。
いままでにない軽さを感じさせる日中辞典ができたと思います。



この写真ではわかりにくいですが、ケースのタイトルまわりには
エンボス加工がしてあります。



本体の表紙はビニールクロス。
淡いピンク色は特注です。DICのカラーチップで指定しました。
こちらもエンボス加工と赤の箔押しを。
タイトル左のエンボスは、ケースのモチーフを使い
滑り止めの役割も。

中国語を学ぶ人にとっては必携の辞書、
末永く使われることを願って制作しました。

2016年1月22日金曜日

『都市と暴動の民衆史』


藤野裕子=著『都市と暴動の民衆史 東京・1905-1923年』(有志舎)
こちらは20世紀初頭の日比谷焼打事件から関東大震災の朝鮮人虐殺など、民衆の暴力行使の文化と社会について書かれた書籍です。

著者の方の意向で、カバーの上下に大きく写真をあしらいました。

モノクロ写真をブラウン系の色調に統一してまとめています。


・カバー:MTA+-FS *マットPP加工
・オ ビ:タント/N-9
・表 紙:タント/N-10

・別丁扉:クラシッククレストST-FS/ナチュラル
・見返し:OKカイゼル/うす鼠

2016年1月19日火曜日

『謎解きの英文法 副詞と数量詞』


こちらは毎回装丁を担当させていただいているシリーズ
久野暲・高見健一=著『謎解きの英文法 副詞と数量詞』(くろしお出版)
今回で8冊めになります。

今回のテーマは「副詞と副詞と数量詞」ということで
オビはキャッチコピーに合わせて電車とプラットホームの写真です。
 
 

オビを外すとカバーに散らした、all、deeply、eachなど
今回取り上げているキーワードが現れます。

ちなみにオビの答はこちら 


『謎解きの英文法」シリーズについては
こちらもあります→
『謎解きの英文法 使役』
『謎解きの英文法 時の表現』