2016年12月2日金曜日

『名詞類の文法』



福田嘉一郎 ・建石始=編『名詞類の文法』(くろしお出版)

こちらは装丁を担当した日本語学の専門書です。

専門書の装丁にはあまり具体的な注文を受けることはないのですが
(「明るく」「重厚に」など雰囲気の方向性だけのことが多い)
この本ははっきりと「薔薇を使ってほしい」との注文がありました。
研究者にとっては「名詞」と「薔薇」はつながりがあるそうなのです。

『薔薇の名前』という小説・映画がありますね。
ウンベルト・エーコ作で、映画ではショーン・コネリーが主演でした。
映画はかつて観た覚えがあります。(だいぶ忘れていますが)

 
小説『薔薇の名前』


映画『薔薇の名前』

ミステリー仕立てになっていますが、その中で普遍論争とか唯名論とか哲学的な話が出てきて、「薔薇」という名詞が「薔薇そのもの」を指すのか「薔薇という概念」を指すのかというような論争あるということなのです。(いまよく分からないまま書いてます)
それで「薔薇」と「名詞」が並ぶと、分かる人にとっては「あ、あのことだな」となるそうなんです。

というわけで「薔薇を使いたい、いろんな色や形の薔薇を」ということでした。

リアルな薔薇だと派手で落ち着きがなくなるため、シンプルなイラストで色も抑えめにしました。

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